京都在住17年のNamic(@nami.739)です。
最近はオーバーツーリズムで京都を避ける観光客が多いというネットニュースを目にすることも増えました。
京都は好きだけど人が多いのはいただけない、ゆったりとした時間を過ごしたいという人にオススメの穴場スポットを紹介します。

通常は入れない特別な京都の邸宅
オーバーツーリズムで人で溢れる京都中心部とはうってかわって、静かに時が流れる場所を求める人にとっての“とっておき”が、御室にあります。
それが、通常非公開・年に1~2回のみ特別公開される「旧邸御室(きゅうていおむろ)」。
私は春の青もみじの季節と、秋の紅葉の季節に訪れました。どちらもまったく違う表情を見せてくれる、まさに“季節限定の京都”がここにあります。
旧邸御室は、昭和初期に建てられた数寄屋造りの邸宅で、美しい日本庭園、木造平屋建てのお茶室を持つ国登録有形文化財です。
昭和12年(1937年)に建てられ、建築目的や設計者は不明です。
所有者の変遷も記録が残っておらず、昭和44年(1969年)に住居として使用していた大手酒造会社役員から現オーナーの父である株式会社山三製材所社長の山本三夫氏が購入しました。
とても保存状態が良いことから平成28年(2016年)に主屋、壁、土蔵、茶室双庵、 茶室御待合所の 5 ヵ所が有形文化財に登録されました。

これぞ日本!これぞ京都!という気分に浸れる素敵スポット
一般公開はされておらず、毎年不定期で春や秋に特別公開されています。
2025年春の公開は以下の通り:
4月26日(土)・27日(日)・28日(月)
5月4日(日祝)・5日(月祝)・6日(火祝)・31日(土)
6月1日(日)
公式HP
文化財保護のため、靴下の着用が義務付けられています。
必ず靴下着用か持参するようにしてください。ストッキングはNGです。
旧邸御室の見どころ
花梨のテーブルに映り込む日本庭園
建築美や庭園の静けさも素晴らしい旧邸御室ですが、写真好きな方に特におすすめしたいのが、大広間に置かれた花梨(かりん)のテーブルです。



庭園の緑や紅葉がテーブルの表面にくっきりと映り込み、「庭鏡(にわかがみ)」のような幻想的な写真が撮れるスポット
22畳の大広間に置いてある花梨の木のテーブルにお庭が映り込み、絶景リフレクションを演出しています。
テーブルへのリフレクションで知られている瑠璃光院や旧竹林院と異なり、ここは一枚板の不規則な形状のテーブルに庭の緑が映り込みます。
熱帯雨林で育った花梨の木には年輪がなく、この花梨のテーブルにも年輪がないんです。
何回も漆を塗って鹿の角の粉で磨きあげることでツヤツヤの光沢を出すという匠の技!
現在ではこれほど大きな花梨の一枚板のテーブルは手に入らないのだそう。
そしてこの花梨の木のテーブルですが、軽く家を一軒買えるくらいの値段がするとのこと!!!!
危うく触りかけましたが、絶対に触れてはいけません!



カメラをテーブルに置いて撮影など論外です




庭鏡を撮影する際には、花梨のテーブルに手やカメラが触れないように注意!
洋間の照明
スタッフの方にこの構図がオススメ!と言われるがままに撮影した1枚です。
寝転がって撮影刷る訳にもいかないので、広角レンズを持参するか携帯で撮影しましょう。
宇治の正寿院の天井みたいで可愛いですね。


日本庭園
建物の南側に広がる池泉式庭園は春は青もみじ、秋には色とりどりの紅葉を楽しめます。



それぞれの季節で異なる表情を見せてくれるこの邸宅は、一度訪れたらまた違う季節にも来たくなる場所
下の写真の手前の大きな沓脱石(くつぬぎいし)は、鞍馬石といって鞍馬山から切り出したもので、現在は採掘されていないとても貴重な石です。




京都づくしの旅はいかが?
せっかく素敵な穴場スポットを訪れるのであれば、1日だけでもとことん京都づくしにしてみませんか?
京都の昔ながらの町家に宿泊し、着物を着てオーバーツーリズムを避けた穴場スポットを巡る旅なんて風情がノンストップ!
また、旧邸御室からは徒歩で世界遺産の仁和寺にも行けて、京都のレトロ電車・嵐電の駅が最寄り駅。
仁和寺は超有名スポットですが、境内が広いので混雑とは無縁の寺院。
更に嵐電を利用すれば、沿線に北野天満宮や龍安寺、妙心寺と有名だけど境内が広くてあまり混雑しない京都らしいスポットがわんさかあります。
その為、この御室というエリアはオーバーツーリズムを気にせずに着物を着てゆっくり京都をめぐることができる絶好の立地だったりするのです。
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おわりに
旧邸御室は派手さはないのですが、京都の静けさや美しさが残る場所。
本当は教えたくないけど誰かに言いたくなる京都の穴場スポットです。
静かな京都を求める人、建築が好きな人、写真が好きな人、是非特別公開の日程をチェックして訪れてみてください。
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