今年も新緑が綺麗な季節がやってきました。
新緑の見頃は桜が終わる4月下旬から梅雨が明ける7月にかけてです。
このシリーズでは、京都で緑を堪能できるおすすめスポットを京都在住13年の筆者が定番から穴場まで紹介していきます!
2016年から一般公開された旧三井家下鴨別邸の見どころ
この旧三井家下鴨別邸は、財閥三井家11家共有の別邸として建てられました。
望楼が特徴的な「主屋」、大正ガラスの窓がレトロ感を醸し出している「玄関棟」、梅窓と丸窓がある「茶室」の3つ棟があり、それぞれ建築された時代が異なります。
一番古い茶室が江戸時代、主屋が明治時代、玄関棟が大正時代に建てられています。
この下鴨神社の南のエリアにはもともと三井家の祖霊社である顕名霊社(あきなれいしゃ)があり、その参拝の為に建てられたのがこの別邸です。
主屋はもともと木屋町三条上がるにあった木屋町別邸が移築され、玄関棟が増築されて大正14年(1925年)に竣工しました。
木屋町三条にあったころは鴨川と東山を一望できたそうです。
望楼からの景色が絶景であったことは疑いようがないですね。
この別邸は昭和24年(1949年)に国に譲渡され、昭和26年(1951年)以降は、京都家庭裁判所の所長宿舎として平成19年(2007年)まで使用されていました。
所長、羨ましすぎるぜ・・・
ちなみに所長宿舎の頃は、お庭は草ボーボーで池も枯れたまま全く手入れがされていなかったそうです。
なんて勿体ないことをするんだ、所長・・・
そして宿舎としての役目を終えた後、取り壊して公売にかけられる寸前まで行きましたが、旧財閥の別邸建築の文化財的な価値が認められ、平成23年(2011年)に国の重要文化財に指定されました。
平成25年(2013年)には文部科学省の所管となり、同年から2016年には管理団体である京都市から委託を受けて京都府が建物の保存修理事業を実施しました。
約4年かけて建物と庭園を修復し、2016年10月から一般公開されています。
まだ公開されてから5年ほどなのであまり知名度も高くないのか、比較的観光客が少ない穴場スポットになっています。
通常一般公開されているのは、玄関棟と主屋の1階のみですが、不定期で主屋2階や茶室が特別公開されます。
そしてビックリなのが、この非公開の主屋2階と茶室は貸室としてリーズナブルな値段で貸し出しているのです!
申し込み時に利用可否の審査がありますが、食事会やヨガ、会議、講演、法事、お茶会などで利用できるとのこと。
2階は見学したことがないのですが、庭から望遠レンズで覗いたところによると、かなりの素敵空間!
しかも20畳の座敷(最大24名)で半日5,300円~ってなんともリーズナブル。
今後の私の人生でこんな素敵空間に見合った会合を行う機会があるかは謎ですが、食事会とか開催していみたいものです。
会合の幹事になってこんな部屋を手配したら、一目置かれること間違いなしです。
それではそんな穴場スポット・旧三井家下鴨別邸の見逃し厳禁な撮影スポットをご紹介します。
撮影スポット1:玄関棟広間


まずは玄関を入ってすぐ横の広間です。
天井が高く、床には絨毯が敷かれて、洋風居室として使われていたため、窓も腰高に設計されています。
この広間はなんといっても窓がレトロ感を醸し出していて、カッコいい!!
ガラスは大正ガラスが使われているので、なんとも味のある雰囲気。
ちなみにテーブルに置かれているのは、喫茶メニューで抹茶やコーヒー、ケーキなどをいただけます。
撮影スポット2:主屋一階座敷とお庭の景色


なんともほっこりするお部屋です。
玄関棟の窓のガラスは大正ガラスですが、このお座敷の窓ガラスはなんと明治時代のものです!!
明治時代は日本ではガラスを作る技術がなかったので、ヨーロッパから輸入したものだそう。
8枚のガラスのうち1枚のみ割れてしまい、現代ガラスがはめられています。
ガラスの凹凸、見え方が全然違うので、探して比べてみてください。
現代ガラスは整いすぎて味気なく感じてしまいます。
お庭の正面左側にはもみじが植えられており、新緑の季節、特に雨の日には素敵な緑の景色を見ることができます。
庭には苔の絨毯が広がっているのですが、私が訪問した日は連日乾燥注意報が出されている時期だったので、苔が少し干からびて茶色く見えています。
雨の日のしっとりしたお庭をこの座敷から明治ガラス越しに眺める。
極上の癒し時間であることは疑う余地がありません。
撮影スポット3:主屋洗面所

下鴨別邸には素敵な窓がたくさんあります。
ここは主屋1階の座敷の隣にある洗面所です。
このお部屋も窓が素敵なんです。
何とも言えないこのレトロ感。
みんな大好き大正ロマン!(建物は明治築ですが。)
撮影スポット4:お庭からの主屋


外から見ても細かいところまでこだわりが光っています。
3階の望楼からは360°ビュー、東山の眺望を楽しむことができるそうです。
正面から見ると3階建てですが、横から見ると4階建てに見えます。
玄関棟と主屋の間の出入口から外に出てすぐのところから主屋を見上げると4階建てに見えます。
撮影地データ
旧三井家下鴨別邸
住所 | 京都市左京区下鴨宮河町58-2 |
電話 | 075-366-4321 |
開館時間 | 9:00~17:00(最終受付16:30) |
休館日 | 水曜日及び12/29~12/31 ※水曜日が祝休日の場合は、その翌日 |
入館料 | 一般500円 中高生300円 小学生200円 ※京都市内在住もしくは京都市内の小中学校に在学する小中学生は無料 ※京都市内在住の70歳以上は無料 (生徒手帳や年齢を証明できる運転免許証等の提示が必須です) |
https://ja.kyoto.travel/tourism/article/mitsuike/
アクセス
場所は下鴨神社、糺の森の南側にあります。
アクセスは、バス、京阪電車・叡山電鉄、地下鉄の3通りです。
京都駅>>>(京都市営バス205号26分)>>>葵橋西詰>>>(徒歩5分)>>>旧三井下鴨別邸
京都駅>>>(地下鉄烏丸線9分)>>>今出川駅>>>(徒歩20分)>>>旧三井家下鴨別邸
京阪淀屋橋駅>>>(京阪本線特急54分)>>>出町柳駅>>>(徒歩5分)>>>旧三井家下鴨別邸
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