- 世界遺産検定を申し込んだらまずやること
- 世界遺産検定の効率的な勉強法
- 出題傾向とよく出る問題
いきなり世界遺産検定2級を受けてみた
旅した国は約40か国!現役の旅行会社の人・Namic(@739_nami)です。
新型コロナウイルスに翻弄されて早1年以上。
海外に行きたい病が発症しても、どうあがいても海外には行けないし、今行ったとて楽しい訳もない。
そもそも先立つものがないとういう悲しい現実。
そこで何か少しでも海外を感じたいと思い、勢いで世界遺産検定なるものを申し込んでしまいました。
自分なりに勉強法を試行錯誤して受検した結果、一発合格できたのでその勉強方法を紹介していきます。
そもそも世界遺産検定とは?
世界遺産検定とは、NPO法人世界遺産アカデミーが主催する検定試験で、世界遺産を背景にある歴史や地理、宗教、芸術の他、地学や生物学、自然科学や人文科学といったものから学び、幅広い知識や教養を身に付けることができます。
世界遺産検定は、人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定です。
2006年に始まって以来、20万人超が受検し15万人以上が認定されています。2014年からは文部科学省の後援事業となりました。
検定は年に4回開催しており、小学生から90代まで幅広い年代の方々が挑戦しています。
世界遺産検定公式HP https://www.sekaken.jp/about/
旅行好きや雑学好きな人にはよく知られた検定試験で、俳優の鈴木亮平が1級を持っていることで有名ですよね。
就職・転職や昇給に活かせる検定ではなく、旅行をより楽しんだり話のネタとして取得する人が多いことが特徴です。
世界遺産検定は難易度が低い順に4級から1級、マイスターの5つの級があります。
4級から1級まではマークシート方式、マイスターは論述試験です。
4~2級はだれでも受けることができますが、1級は2級認定者、マイスターは1級認定者という受験資格が設定されています。
受験資格 | 解答方式 | 問題数 | 試験時間 | 合格基準 |
だれでも可 | 選択式 (マークシート) | 60問 | 60分 | 100点満点中60点 |
マークシートでの解答、合格基準は6割以上の得点、合格率は毎回60%~80%程度なので、難易度は高くないです。
ただ私が受検した2021年7月実施の第44回は合格率が58%で60%を切っており、過去問よりかなり難しく感じられました。
何級を受けたらいいの?
初めて世界遺産検定を受ける人でどの級を受けたら良いのか分からない人も多いと思います。
公式HPに「受験の目安」の案内がありますが、
とりあえず2級を受けましょう。
世界遺産検定は専門知識は必要なく、テキストに書いてあることを覚えることができれば合格できる試験です。
それに世界遺産検定を受けようと思う方は、少なくとも歴史か旅行に多少なりとも興味がある人なハズ。
多少でも興味があれば、2級レベルの勉強は苦にはなりません。
また、3級からスタートするとその分検定料や受験級に合わせたテキストの購入等出費がかさみます。
就職や昇給に有利になるような検定ではないので、お金をかけず2級からの受験を強くオススメします!
公式HPの例題を見てみて、げっ!こんなのわからん!となっても効率よく勉強すればすぐ合格ラインは見えてくるので、ご安心ください。
勉強時間と勉強法
勉強時間
勉強時間に関しては正直個人差があると思います。
私は旅行好きで世界遺産巡りなんかもしていたので、次に紹介する勉強法で3日程度の勉強で合格できました。
今まで全く世界遺産に興味がなかったけど、雑学の守備範囲を広げたいといった人はもう少し時間がかかるかもしれません。
ネット情報などを検索したところ、合格者は20~50時間程度勉強した人が多い印象です。
不安な人は試験の2か月前くらいに一度過去問題を解いてみて、どんな感じのテストか体験しておくとスケジュールも立てやすいですし、気持ちの余裕も生まれます。
勉強法
まずは公式テキストを2冊購入しましょう!
これがないと始まりません。
逆に言えば「公式過去問題集」と「くわしく学ぶ世界遺産300世界遺産検定2級公式テキスト」があればもうこっちのもんです。
①公式過去問題集を解く
公式問題集には過去4回分の過去問が収録されているので、まずは1回分を時間を計ってテキストを見ずに解いてみましょう。
間違えまくっていいんです。
採点して合格ラインに達していなくてもいいんです。
まずはどんな問題が出されていて、どれくらい時間がかかるのかという感覚をつかみます。
過去問を解くことで出題形式と頻出問題を把握する!
②問題ひとつひとつをテキストと突き合わせ
出題されていた問題の世界遺産は必ず公式テキストに説明があるので、該当する世界遺産の項目を読んで覚える。
そして出題されていた重要な部分は必ずマーカーで印をつけておきます。
テキスト内の過去問に出題されていた箇所は必ずマーカーで線を引くこと!
マーカーで印をつけることでよく出題される世界遺産を把握でき、出題頻度が高いところのみを効率的に復習できるようになります。
電車等で移動時間に勉強する人は隙間時間を効率的に使えます。
このように過去問にで出た箇所をマーカーで引いていきます。
公式テキストの赤太字は最重要ワード、黒太字は重要ワードなので、あわせて覚える必要があります。
過去問を解いていくとわかりますが、太字以外も結構出題されるので、ここでマーカーが活きてきます。
③ひたすら①と②を繰り返す
「過去問を解く→問題とテキストを突き合わせる」
これだけで過去問を2週目する頃には、合格点を超えてくるはずです。
そして、よく出題される世界遺産や出題傾向を知ることができるのです。
たったそれだけ?そんな普通のこと?と思うかもしれませんが、この方法が一番効率よく勉強できます。
最初からテキストの300もある世界遺産を覚えていこうだなんて無理がありますし、最初はやる気に燃えていてもすぐ挫折します。
それであれば手っ取り早くよく出題される問題を把握して、満点とまではいかなくても確実に合格ラインを超える勉強方法のの方がよっぽど確実で効率的です。
もし満点を目指したいのであれば、この勉強方法で過去問で満点を取れるようになってからテキストの世界遺産300件を覚えましょう。
合格が目的であれば完璧を目指さない。満点を目指すとプレッシャーがストレスになりえます。
勉強に疲れたら
過去問解いてテキスト読んでを繰り返していると、
正直、疲れるし飽きます。
まあ、勉強とはそんなもんだろうと言えばそこまでですが、飽きてきたら動画学習で気分転換!
過去問をこなしているときとは違う脳を映像と声で刺激することで、知識が定着していく気がします。
公式学習動画はコチラからどうぞ。
2級の動画は前編35分、後編32分です。
絶対覚えるべき頻出箇所
毎回出題されている箇所の中から頻出箇所をピックアップしました。
下記の2級の問題比率を見ての通り、基礎知識と日本の遺産だけで45%を占めています。
基礎知識 | 日本の全遺産 | 文化遺産 | 自然遺産 | その他 | 合計 |
20点 | 25点 | 35点 | 10点 | 10点 | 100点 |
世界遺産条約の基礎知識
公式テキストのCHAPTER1世界遺産条約の基礎知識の約17ページは可能な限り覚えるべし。
ここから20点分出題されます。ここで20点取れれば、合格点まであと40点!
- 世界遺産誕生までの流れ
-
1931年アテネ憲章採択~1994年グローバル・ストラテジーまでの時系列
- 世界遺産の登録基準
-
「世界遺産条約履行のための作業指針」で定められている(ⅰ)~(ⅹ)までの登録基準10項目と作業指針の名前
- 世界遺産登録の流れ
-
登録の流れと登録にかかる期間、調査・審査をする機関
- 世界遺産に関係する機関
-
それぞれの機関が担う役割と本部の場所
- 文化的景観のカテゴリーと採択された背景
-
はじめて適用されたニュージーランドの「トンガリロ国立公園」も頻出
- トランスバウンダリー・サイトとシリアルノミネーション・サイト
余談ですが、私はどうしても登録基準のローマ数字が覚えられず、登録基準はほぼ捨てました・・・。
何故普通にアラビア数字で書いてくれないのか疑問しかないです、ええやん1、2、3・・・で。
日本の世界遺産
日本の世界遺産は法隆寺の伽藍配置、石見銀山の構成資産、白神山地や小笠原諸島の絶滅危惧種の固有名詞などかなり細かいところまで出題されます。
日本の遺産だけでも25点分出題されるので、テキストを読み込んである程度暗記する必要があります。
私は京都在住なので、京都の世界遺産はまかせろ!と思っていましたが、ほとんど京都は出題されません。
二条城の作庭が小堀遠州ということが数回出てきたかな?というレベルでした。
- 日本の遺産の登録基準
- 古都奈良の構成資産と範囲
- 法隆寺の金堂と五重塔の伽藍配置
- 石見銀山の構成資産の範囲
- 日本の建築様式(流造り、春日造り、権現造り)と代表する建築物
- 知床の登録基準と固有種、エコツーリズム
- 小笠原諸島の固有種と適応拡散
- 屋久島の登録基準と垂直分布
公式テキストの「 日本の遺産の登録基準 」のチャートは要チェックです。
広島の原爆ドームは負の遺産なので登録基準(ⅵ)のみで登録されており、日本で登録基準(ⅶ)が認められている遺産は屋久島のみ、日本で登録基準(ⅹ)が認められているのは知床のみといった登録基準に関する問題もよく出ます。
日本の暫定リスト記載物件と最新の登録物件
日本の暫定リスト記載物件についても目を通すべし。
また、直近で登録された物件と登録が決定した世界遺産委員会の開催場所も頻出です。
最新の情報はテキストには載っていないので、公式サイトの学習用資料の新規登録物件・世界遺産登録委員会資料に最新情報をまとめたPDFがあるので参考にしてください。
日本の暫定リスト記載物件
最新の日本登録物件
2021年登録の日本の世界遺産は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」と「北海道・北東北の縄文遺跡群」の2件
直近の世界遺産委員会開催地と次回の開催予定地
2020年に中国福建省で開催予定だった委員会が新型コロナウイルスの影響で中止されたため、2021年はオンライン開催で2年分が審議された
次回2020年の開催予定地はロシアのカザン
その他
基礎知識と日本の遺産以外で頻出の項目をピックアップしました。
世界で最初の世界遺産12件
イエローストーン国立公園、ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑、キトの市街、ゴレ島など
文化的景観が適用された世界遺産
ラヴォー地域のブドウ畑、ビニャーレス渓谷など
ヨーロッパの建築様式と代表例
ギリシャ・ヨーロッパ建築(古典様式)、ビザンツ様式、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式、バロック様式、ロココ様式の特徴と代表例
近現代建築の建築家と建築例
メキシコ国立大学、ストックレ邸、トゥーゲントハート邸など
危機遺産
危機遺産リストと危機遺産に登録されることなく世界遺産から抹消された遺産(アラビアオリックスの保護区、ドレスデン・エルベ渓谷)
まとめ
コロナ禍で緊急事態宣言が発令されたりでおうち時間が長くなっていると思うので、資格取得には今がチャンスです!
今のうちに世界遺産を学んで、アフターコロナには旅を思いっきりエンジョイしちゃいましょう!
私は次は1級を受ける予定ですので、合格した暁には頻出問題を解説していきますね。
コメント