今年も新緑が綺麗な季節がやってきました。
新緑の見頃は桜が終わる4月下旬から梅雨が明ける7月にかけてです。
このシリーズでは、京都で緑を堪能できるおすすめスポットを京都在住13年の筆者が定番から穴場まで紹介していきます!
穴場としてスポットとして有名な東福寺塔頭・光明院
穴場なのに有名?とかなり矛盾した見出しですが、こちらは言葉の通り穴場として有名な寺院です。
東福寺の塔頭で枯山水庭園を囲むように方丈、書院、茶室が建てられており、すべてのお部屋からお庭を眺めることができます。
観光寺院ではないということもあり、東福寺の塔頭として名は知られているけども常に静かで落ち着いた雰囲気であることから、有名な穴場なのではないでしょうか。
光明院は室町時代初期の1391年に東福寺の塔頭(たっちゅう)として、金山明昶(きんざんみんしょう)という方によって創建されました。
塔頭というのは、大寺院の敷地内にある小寺院や別坊、脇寺のことです。
もとは禅宗寺院で祖師や門徒高僧の死後に弟子たちが本山の境内に塔(お墓)を建て、その塔を守るために建てた庵のことを指していました。
戦国時代になると有力大名が格式の高い寺院に寄進して小寺院を建立し、自分たちの一族の京都での菩提寺とする動きが盛んになり、これら小寺院も塔頭と呼ばれるようになりました。
有名どころでいくと京都の大徳寺には24の塔頭寺院があり、豊臣秀吉が織田信長の為に建てた菩提寺の総見院、加賀前田家の菩提寺である芳春院、黒田長政が父・黒田如水菩提の為に建てた龍光院などがあります。
話が逸れましたが、東福寺の塔頭である光明院は、昭和の作庭家・重森三玲による波心庭という美しい枯山水庭園が見どころで、この作庭家は東福寺方丈の八相の庭も手掛けています。
いずれも昭和14年(1939年)につくられました。
門を入ってすぐの枯山水庭園・雲嶺庭は、同じく森重三玲が昭和37年(1962年)に作庭したものです。
したがってこのお庭をどんな角度から見るかが、撮影&楽しむポイントになります。
撮影スポット①:前庭・雲嶺庭を望む丸窓
お部屋の名前はわからないのですが、玄関から入って右側にあるお部屋の丸窓からの雲嶺庭です。
撮影スポット②:書院の吉野窓
書院の吉野窓からの波心庭です。
石組の後ろは青もみじです。紅葉の時期も訪問したい!
そしてこの書院はこぢんまりとしていて居心地がよく、なかなか抜け出せません。
撮影スポット③:波心庭
白砂は大海に浮かぶ3組の三尊石、その三尊石から立石が斜線上に並び、苔の築山の白砂沿いに配置されている玉石は波飛沫を、背後のサツキとツツジは雲紋を表現しています。
よく見るとサツキとツツジの木が雲のようにうねうねに刈り込まれていて面白いですね。
右側の写真には少しだけ写っていますが、斜面のサツキとツツジのさらに上には昭和32年建築の蘿月庵(らげつあん)という茶室があり、窓・壁・障子に月のモチーフがあしらってあり、東の空に登る月を表現しています。
ただ残念ながらこの蘿月庵への行き方はわかりませんでした。
恐らく寺内の墓地から続く道を通っていくのだと思いますが、墓地は関係者しか入ることができません。
お庭がもみじで囲まれており、私が訪問した時期はまだサツキもツツジも咲き始めでしたが、GW頃には満開のお花と青もみじのコラボレーションが楽しめそうです。
撮影地データ
光明院
観光寺院ではないので玄関は無人です。
志納を玄関の竹筒に入れてから拝観します。
100円玉を準備してから訪問しましょう。
住所 | 〒605-0981 京都府京都市東山区本町15-809 |
電話番号 | 075-561-7317 |
拝観時間 | 7:00~日没 |
拝観料 | 志納(300円~) |
アクセス
最寄り駅は京阪鳥羽街道駅。特急電車は止まりません。
京阪・JR東福寺駅からは1km程度。
まとめ
光明院は苔の虹寺とも言われているお寺なので、是非苔が一番美しく見える新緑の季節に青もみじと一緒に楽しんでいただきたいお寺です。
個人的には雨上がりがベストな訪問時期だと思っています。
本当に静かなお寺なので、とことんお庭を眺めたい方、一人旅の方なんかにはもってこいの場所です。
お庭に向かって一度腰かけると動き出せなくなる力を持ったお寺です。
観光寺院ではなく、お寺の好意で開放していただいている場所なので、マナーを守って静かに拝観しましょう。
「京都で新緑を楽しめるオススメの穴場&定番スポット」シリーズはコチラからどうぞ。
コメント